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ハイボール プーケットでゴルフレッスン by カフェ王


連載エッセイ ハイボール プーケットでゴルフレッスン by カフェ王 カフェ王

タイ南部プーケット島在住。ゴルフを始め、なんとか上手くなりたいと思っていたら運よく日本人のプロゴルファー馬場さんに出会い現在修行中。プーナカゴルフコースのドライビングレンジに頻繁に出没。初心者ばりばり、日々の成果をブログ『ハイボール タイ・プーケット島でゴルフレッスン』に更新中。

第16話 「引き籠り」

3月初旬に日本に帰国し、ゴルフの世界からまったくかけ離れた生活をしています。 たまにゴルフをする人たちと飲んだ席でお話するくらいでクラブを握ることもありません。 「あ~、これはプーケットに戻った時に大変悪いスコアになるんだろうな。」 と思う訳ですが、マイクラブもタイに置いてきた私としては、 寒い日本で練習に行く気すらならない日々を送っています。 

 

そんなある日。 編集長からメールが着信。 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ (編集長の着信) お世話になっています。 日本はまたまた寒い日が続いています。 さて、もうメルマガです。 24日午後6時で、原稿よろしくお願いします。

 

(私の返信) わ、わ、わずれでだぁ~~~~。

(編集長のさらなる着信) 忘れないでね! ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

 

ということで、しぶしぶ筆を、いやパソコンに向かってキーを打つわけですが、 今朝の新聞をめくると一つだけ良いことがありました。 『 藍 耐えて今季初V 』 私は藍ちゃんがスランプになっていた頃からファンの一人です。

 

ちょうどその頃、自分が勝っていた頃のビデオを見て、こんなに天狗だったんだなって 回想していたテレビ番組がありました。もちろんまだその頃は長期のスランプから 脱していなかったわけですが、私はそのテレビを見て、彼女は必ず復活すると確信していました。

 

そしてあの超スローのスイング練習法から復活劇を遂げた今の藍ちゃんは 精神面でも技術面でも格段の違いがあると感じています。 特に今シーズンは常に上位をキープし、いつ優勝してもおかしくないという状況。 その中でも前回のパットの不調を修正しながら臨んだ今回のロッテ選手権では見事優勝となりました。 これで通算8勝目ということになります。

 

シーズンも始まったばかりですので、これからの快進撃を期待したいですね。 ということで来月初旬にプーケットに戻る予定の私はいかに努力せず、 藍ちゃんを目標にできるかを模索中です。(笑)

第15話 「バンコクとプーケットの違い?」

 

3月は初旬にバンコクにゴルフ仲間とゴルフに出かけました。 土曜日は安いコース、日曜日は休憩、月曜日は高いコースという感じで予約をしましたので、 トータルのゴルフ料金を抑えながら、のんびりとゴルフを楽しむことができました。

 

プーケットでゴルフを始めましたので、それが当然だと思っていたことがバンコクではそうでもないということが多々ありました。 まず最初に気になった点は、バンコクのプレイヤーはのんびりと回るということです。

 

通常、プケカン(プーケットカントリークラブの略称)では、キャディーさんにもせかされながら、 どんどん歩いて行くのですが、バンコクではそうでもありません。私達がグリーンを狙うことができるところまで行くと、前のチームがグリーンでのプレーを中断して、 私達のショットを待ってくれます。 私達が打ち終わるとまた前のチームがのんびりとパットを始めるのです。 おそらくそれよりもさらに前にいるチームがもっとのんびりとしているのでそういうことになると思うのですが、国が同じでも場所が変われば、こんなに事情が変わるものだなと思いました。

 

特にショートホールでは前のチームがまるでお客様のように見てくれているので、 なんとなくこちらがプロになったような気がしてちょっと緊張しながらも、「よし、みていろよ!ピンそばにぴったりと落としてやるからな!」なんて思って打つと、 グリーンを外れたりして、なかなかこれも恥ずかしいのですが、楽しかったです。

 

次に感じたことは、キャディーさんが静か。 当たり前だろうと思われるかもしれませんが、プケカンではまるで井戸端会議がそのまま移動しているかのように賑やかにプレイヤーとキャディーさん達が移動していきます。しかし、バンコクでは私語が禁止されているのでしょうか。こちらから話しかけない限り、 無駄な話は皆さんほとんどされませんでした。都会と田舎の違いをなんとなく感じます。

 

そしてきっとこれが一番の違いだったかもしれません。 グリーンが速い。 プケカンと同じような気持ちでパターを打つと、二倍くらいはずしてしまいます。 さらに少しでもコースをはずすと絶対に入りません。軽く、そして正確にパッティングする。 これがバンコクのグリーンだと痛感しました。

 

日本でもよくプレーされるTさん曰く、 これは日本のグリーンと同じだそうです。 このバンコクショートツアーの後、私は家族で日本に一時帰国いたしました。 日本でもゴルフをという気持ちもあったのですが、この寒さでは楽しむというよりかは修行に近いと考え、 現在テレビで藍ちゃんを応援しながら、冬眠中です。

 

5月にはプーケットに舞い戻りますので、ゴルフ再開です。 青い空、灼熱の太陽、ゴルフ仲間やキャディーさん達の笑顔、目を閉じるとすぐに浮かんでくるプケカンに 早く戻ってプレーをしたいと思う今日この頃です。

第14話 「ロングホールでの初バーディーとこれからの課題」

 

プーケットではリタイヤ、セミリタイヤ、現役の方々がうまく溶け込みあい、昨年度からミニコンペが たびたび行われるようになりました。 このコンペでも今までお会いしたことのない日本人の方とプレイすることができますし、 ゴルフ以外での情報交換も活発に行われています。

 

今回はそのコンペでのプレイを少し振り返ってみました。 だいたい週末のコンペは10人前後で行われますので、3グループくらいに分かれます。 2月初旬に行われたミニコンペでは、リタイヤ組のWさんとセミリタイヤ組のTさんと同じグループです。

 

WさんとTさんはほぼ同じハンディキャップ。だいたい90前後のスコアをたたき出します。 ゴルフは紳士のスポーツと言われています。しかし、このお二人はジョークの延長だと思うのですが、 毎回毎回相手に心理的プレッシャーを掛けながら、ラウンドされます。 (心理的プレッシャーとはとても簡単で例えばコースの左手に池があるとすると、相手が打つ前に 『あ~、左手に池がありますねぇ~。』というだけで、池を意識するあまり、なぜか池に入ってしまう という単純極まりないプレッシャーなのであります。) それはそれで知り合い同士の大人の楽しみ方でもあるのですが、どうもそのプレッシャーを なぜか私自身が受けてしまうことが多く、今回はできるだけお二人の会話を聞かないようにプレイしました。

 

その甲斐があってか、パーを3回、バーディーを1回とることができました。 プケカン(プーケットカントリークラブの略称)の第3ホール目はなかでも最も苦手とするロングホール。 いつもここでスコアが崩れてしまいます。 しかし、プレイに集中したお陰で3オン、1パットのバーディー。 前半はお二人とほぼ互角の戦いができました。トータルで考えると後半にスコアが崩れて、またもや100を切れず。 しかし、ハンディキャップを多く頂いているので、このミニコンペでは優勝することができました。

 

優勝しても、喜んではいられません。 お二人との違いはなんだろうと家に帰ってから各コースの内容を分析してみました。 すると明らかにチッピングの差だということがわかりました。グリーンにオンして2パットを心掛けていれば、 パットでそんなに崩れることはありません。グリーンの近くまではセカンドショットなどで ある程度近づくことができます。ここまではあまり差がないのです。

 

要するにグリーンのすぐ近くにあるボールをグリーン上のピンに寄せることが一番難しかったという 結論に達しました。それなら徹底的にチッピングの練習に励めばいいのではないかということで、 馬場さんから9番アイアンでの練習方法を伝授していただき、練習に励んでいます。

 

『9番アイアンは5ヤードなんだよ、5ヤード飛ばして、10ヤード転がるから、全部で15ヤード。 特にプケカンのグリーンではその距離が一番大事なんだ。』 

 

と、いつも馬場さんが口を酸っぱくして言っていたので、 完全にマスターするまで練習です! 3月はコンペの仲間とバンコク遠征です。 この練習の成果が生かせるかどうか?? 今から楽しみです!

第13話 新年の出会い

プーケット ゴルフ明けましておめでとうございます。 本年もどうぞよろしくお願い申し上げます。 昨年度からエッセイを書き始めて、なんと一年も経過してしまいました。書き始めたころは、一年後にはかなりゴルフの腕前も上達しているのだろうなと思っておりましたが、現実はそんなに甘くなく、未だに100の大台を切れず、奮励努力している今日この頃です。

 

昨年度は10月に縁があり、プーケットカントリークラブのメンバーになることができました。それ以降、コースにでる機会も増えて益々ゴルフの楽しさを実感しているところです。 エッセイを書いている今日は1月18日です。すでに今年に入って18日が経過したわけですが、何日間ゴルフコースに行ったのか、ちょっと数えてみました。

 

練習日を一日含みますが、なんと6日間ゴルフをしています。 平均すると3日に一度はコースに出ている計算ですね。プーケットカントリークラブはメンバーになると18ホールがなんと300バーツのキャディーフィーだけで回ることができますので、とてもお得です。今のレートでおよそ750円という金額ですが、これとは別に通常キャディーさんにチップを300バーツ渡しますので、合計で1,500円ということになります。

 

さて、ゴルフの楽しみとは何でしょうか?やっぱりスコアが良くなることですね。また良いスイングができた時の感触ですね。それに、あの広々とした草原をゆったりと歩いていく快感でしょう。 最近気がついたのですが、私にはもうひとつ楽しみがあります。それは新しい出会いというものです。

 

通常、4人で1チームが完成し、そのチーム毎にコースを回っていくのですが、メンバーが事前に集まらず、一人や二人で出向く時もあります。そういう時、現地で初めて出会った人たちと急きょチームを組み、一緒に回ることになります。 プーケットは場所柄、様々な国籍の方々が滞在しています。タイ人はもちろんですが、ヨーロッパから来る人たちも多数いらっしゃいます。

 

先日はノルウェー人とスウェーデン人のお二人とラウンドしてきました。すでに70歳近いプレイヤーの方たちですが、私よりもはるかにゴルフがお上手で、そしてジャイイェン(タイ語で冷静という意味)です。 たまにスイングをチェックしてくれて、ちょっとした上達のヒントをくれたり、北欧の話を聞かせてくれたりします。

 

ゴルフが終わった後は、レストランで一杯やります。 ビールをぐいっと飲みほしたノルウェー人のラースというおじいさんは言いました。 『これがゴルフの楽しみなんだよね、素敵な方たちとゴルフがきっかけで出会うことができる。本当に今日は楽しかったよ。』 まったく同感です。

 

このエッセイでも読者の方たちと私は間接的に出会っているんだなと思うと、なんとなくほくそ笑むわけです。 というわけで、本年もご愛読のほど、よろしくお願い申し上げます。

第12話 チッピング その② 想定外

 

前回、チッピングの話をした。 チッピングが安定してきたお陰でスコアが上昇してきたのだが、その後も上昇を続けている。 お陰さまで前回プーケットの在住日本人の小コンペでフルにハンディキャップをいただき、優勝してしまった。プケカンの自己スコアも更新中である。

 

さてチッピングに関して、もう一度、馬場さんに教わったことをおさらいしてみよう。 まず目標を定める。→歩幅を狭くして立つ。→両足のつま先を左側に向ける。→重心は左足に。 →上半身は目標に向ける。→そのまま右横から左横に振り抜くのではなく、アウトサイドにテイクバックし、インサイドに向かってインパクトへ。 切り返しを行わず、とにかく上記の流れを行えば、かなりピンに近いところにボールが落ちるようになった。

 

一番苦手意識が強かったチッピングが向上してきたぞ!と思ってコースを回っていたら、『想定外』のことにぶち当たってしまった。

 

馬場さんに教わったのは、ドライビングレンジでのこと。もちろんのことであるが、コースに出ると地面はまっ平らではなく、いろいろな傾斜がついていたりする。 そんなことに知らずに教わった通りスイング。

 

あれれ? インサイドに向けてインパクトしたら、地面に突っかかってしまい、ボールが予定していたよりも手前に落ちてしまった。よく地面を見ると、左上がりの斜面になっている。 アウトサイドにテイクバックし、インサイドに振り抜こうとしても、左上がりの斜面だと必ずクラブはつっかかってしまうよな。これは想定外だ。

 

迷った時は馬場さんのところ。これ常識です。

事情を話すとすぐに馬場さんの指導が始まった。

 

プーケット ゴルフ レッスン「あ~、そういうときはね、地面と同じように立つんだよ。」

 

要するにこういうことだ。 地面の傾きと同じように立つ。でも、重心は左足に残す。これが慣れないとやりづらい。歩幅は狭く。これは同じ。でもつま先は正面を向いたまま。それで一番のポイントはこれまでのようにアウトサイドにテイクバックせず、そのまま右にテイクバック。そして左にインパクト。 ということでやってみた。

 

いい感触です。 もう一度、やってみる。 なかなかいい感触です。

あれ、これ馬場さんのクラブだ。 すると馬場さん曰く、 「58°のクラブ持ってないでしょ。いいよ、持って行って。俺、メーカーから新品もらったから。」

 

「え~、いいんですか!」 ということで馬場さんが長年愛用してきた58°のアプローチを拝借。 これで念願の100を切れるような、そんな予感がする年の瀬であります。

 

【ピッチング48度・50度・56度は持っていたのですが、58度は持っていませんでした。微妙な距離で威力を発揮しそうです!】

第11話 チッピング。20ヤードは誰にだって打てる。でも5ヤードは難しい

ゴルフを始めて、当初はいかにして遠くに飛ばすのかということばかり考えていたわけだが、 プロの間では『ドライバーはショーのためにある、パットはお金のためにある』と言うそうで、 どの一打もやはり同じ一打に変わりはないのである。

 

さて、私の場合、苦手意識が一番強かったのは、チッピングだ。 せっかくグリーンのすぐそばまで寄せても、トップをたたいてしまって、グリーンを大きくオーバーし、スコアを崩すことが多々あった。 それまであまりチッピングを教わってこなかったので、コースに出始めたら このチッピングの大切さが身にしみて、馬場さんのところに向かった。

 

というのも、馬場さんご本人が練習の半分くらいはチッピングの練習を毎日されているからだ。 その重要性を一番理解しているはず。

 

「チップはね~、ただ振り下ろすだけなんだよ。あんまり切り返しとかそういうことを考えずにね。 一番難しいのは5ヤードくらいの距離なんだよね。20ヤードは誰にだって打てる。でも5ヤードは難しいんだよね。」 そんな言葉が返ってきた。

 

そこでアドレスや体重のかけ方、上半身の姿勢や向きなどをかなり事細かく教えてもらう。 「そうそう、それで打ってごらん。」 自分が思っていたよりもかなりボールに近い位置に立っている。 クラブが寝ていないでどちらかというと手前が浮いているような感じ。

 

「こんなのでいいんですか?」 少し不安を感じながら、やってみる。あまりうまくいかない。 そこで馬場さん曰く、

「テイクバックの時にかなりアウトサイドから振り下ろすようにやってごらん。」 素振りをしてみると、明らかに左方向に飛んでいきそうな感じ。そしてやってみる。ん? 狙ったところにボールが飛んでいる。トップもたたかない。 何度やっても、いい感じでボールが打てるようになった。

 

上半身が狙った方向を向いているので、アウトサイドからインパクトに移っても、 実はボールはまっすぐに飛んでいくという ことだそうだが、理論的にはどうも理解しがたく、こればかりは身体で覚えてしまったほうがよさそうである。

 

このチッピングの苦手意識を克服し、久しぶりにコースに出たら、なんとスコアが8打改善した。 それと同時にゴルフに対する楽しさが倍増したような気がする。 スコアが良くなることとゴルフの楽しさが増すことはどうやら比例しているようだ。

第10話 「プケカンの主M氏とまわる」

先日、日本の女子プロゴルファーが左手首を痛めたために欠場したというニュースを見た。 そんなに簡単に手首を痛めるものなのかなと思っていたら、なんと自分が練習場で痛めてしまった。 直接の原因はスイングでだふった時の衝撃。 厳密には手首ではなく、親指の付け根の筋。 ペットボトルの栓を開ける時やドアを開ける時など、痛くなるとわかるのだが、 様々な場面でこんなに左親指を使っていたんだなと妙に感心してしまった。

 

これは仕方がない。とにかくゴルフのクラブが持てない。それどころではない。 でもタイだからマイペンライなのだ。 ご存じの通り、タイでは先月から雨が降り続き、せっかくメンバーになったプケカンにも行けないので、 ちょうどいい休憩かなと思いながら、しばらくゴルフの世界から離れていた。

 

故障してからおよそ一ヵ月。 まだ違和感が残るものの、そろそろゴルフがしたいという気持ちが沸々と湧き上がってきたときに、 H氏からのお誘い。しかも今回はプケカンの主と言われるM氏まで登場。 レベルがまったく上の方たちと回るのも良い経験だと思って、久しぶりにコースに行ってきた。

 

M氏はプケカンができたころからそのコースを攻略している方でプケカンの最古参でもある。 一緒にプレーさせていただくと、たまに助言を頂く。 でもその助言はプレー後だからとても納得できるんですね。

 

例えば、コース毎のクラブの選定やその理由。そしてボールをグリーンに寄せる時の位置などなど。 とっても参考になりました。ありがとうございました。 そして私がいつもお願いしているキャディーさんはなんと馬場プロの奥さんでもある方で背番号は151番。 やはりコースを熟知している。そしてあまり口を出さない。 でもやっぱりそのコースが終わる時にいろいろとアドバイスをしてくれる。これもM氏と共通しているところ。

 

コースを回り終わって強く感じたことは、 「まずは自分で考える力を身につけて、プレイを組み立てていく」ということでした。 ただ漠然とコースを回るのではなく、次回はコース毎の課題を見つけ、意味のあるプレーをしていきたいと思う。

第9話 「キャディーさんとの相性」

 

「おーい、売りたい人が見つかったぞぉ~。」 9月のある日、朝早くから馬場さんが電話をくれた。 以前からプケカン(プーケットカントリークラブの略称)の会員権を安く譲ってくれる人がいたら 教えてくださいとお願いしていたのだが、意外にも早く見つかった。

 

相手はRさんという韓国人でハンディキャップが2という凄腕のプレイヤー。 どうやら不動産投資に資金がいるそうで、泣く泣く売ることになったそうだ。 トランスファー手続きもあっという間に終了し、9月から晴れてプケカンのフルメンバーになることができた。

 

ということで、いつものメンバーに連絡し、先日行ってきた。プケカンには18ホールと9ホールがあり、 合計で27ホールある。その日は運悪く18ホールはトーナメントで貸し切り。 ということで、トリッキーかつ池が多くて有名な9ホールを2R回ることになった。

 

当日、私についてくれたキャディーさんはティーショットから風を読み、距離を考え、クラブを選定してくれる。 はじめのうちは疑問を感じはしたが、およそキャディーさんの言うことが当たっているので、基本は従うことにした。 しかし、グリーン上での読みがどうもおかしい。 5ホールくらい立て続けにキャディーさんの意見と自分の意見が分かれ、すべて裏目に出てしまった。

 

丁寧に教えてくれるのに申し訳ないと思ったのだが、 「グリーンでは自分でラインを読むので、何も言わないように。」とお願いした。 するとパットがどんどん好調になった。 ここまで書くとキャディーさんの批判のようになってしまいそうだが、 グリーン上での読みは人それぞれでなかなか難しい。誰が正解ということがないと思う訳である。

 

私が思うに一番の理由は力の加減。 どんなにラインがうまく読めても、ピンまでボールが届かなければ意味がない。 届く力を最初に想定して、その上でラインを読む。ぎりぎり届くように打つ人もいるし、強気で攻める人もいる。 だからグリーン上でのラインの読みは本当に難しく、 キャディーさんとの読みが食い違うとさらにこんがらがってしまう。

 

だから私の場合、自分の読みだけを信じてパットを打つほうを好むタイプである。 そういう意味でキャディーさんのお仕事は大変だ。またプレイヤーとの相性というものがある。 プレーが悪くても、精神的に盛り上げてくれるキャディーさんがいたり、 物静かだけと阿吽の呼吸でプレーが順調に進むようにフォローしてくれるキャディーさんもいる。

 

今週末は仕切り直しでプケカンの18ホールに挑戦。 相性の良いキャディーさんが早く見つかるようにと、楽しみながらプレーを続けたいと思う今日この頃である。写真はプケカン最終コースで会員権を持ちながら、馬場さんと記念撮影

 

 

第8話 「ドライバーは天ぷら病。ヘッドは折れても心は折れず」

プーケット ゴルフレッスン8月はプーケットで最高のコースと言われるブルーキャニオンにもデビューできたし、 初めて一緒にプレーさせてもらった方もいて、いろいろなタイプのゴルフ場とゴルファーが この世の中に存在するんだなぁ~とつくづく感心させられました。

 

コースでのスコアが伸び悩んでおりますが、先月末からチッピングの練習を中心に行っていて、 グリーン周りではこれまでの不安が練習によってかなり解消されてきたのではないかと思っています。

 

ではどうしてスコアが伸びないのか?
それはなぜか数週間前からドライバーが悪くなってしまったからです。 これまでの打ち方に変わりがないような気がするのですが、天ぷらが連発してしまいます。 レンジで練習していると天高くボールが飛んでいきます。それはまるでピッチングのような高さです。

 

『ん~、これは天ぷら病だ。』 そう思って、とにかくドライバーを連日練習しました。 そこでわかった数々の欠点は、
・ 右肩がインパクトの時に突っ込み過ぎている。
・ スイングが早すぎて、身体の回転と同期していない。
・ テイクバックの時の軌道と同じ軌道でインパクトに繋がっていない。 などなどです。

 

そこでできるだけ背筋を伸ばし、さらに右肩がインパクト瞬間まであまり突っ込まないように我慢し、 打っていたら少しずつですが天ぷら病が収まり、普通の軌道に戻ってきました。 『よ~し、なかなかいいぞぉ~。』っと思っていた矢先。 フルスイングしてボールに当たった瞬間、ドライバーのヘッドが折れて、 私の正面で練習している韓国人女性に向かって飛んでいきました。

 

『危ない!!』 ヘッドは目の前の韓国人女性をかすめて、そのさらに前で練習していたもう一人の韓国人女性の横まで 吹っ飛びましたが、幸運にも当たらずに済みました。

 

というわけでドライバーを修理工場で直してもらいましたが、シャフトが短くなってしまったので、 全体的に堅くなってしまいました。スイングすると方向性は以前よりも正確に打てるのですが、 いかんせんボールが飛びません。 完全に芯に当たればやはりしっかりと飛ぶので、ボールを芯で捉える良い練習になるのではないかと 前向きに考えています。

 

『買いかえるか、このまま使い続けるか、それが問題だ。』  (シェイクス・プア)

 

最後に馬場さん曰く、 『ドライバーがダメになったら、まず芯に当てることを思い出すように振り出しに戻るといい。』

第7話「遼くんも、ぼくも目指すはレイドオフ!」

先日の全米オープンで彗星のごとく現れたスーパースター、ロリー・マキロイ選手はなんと22歳。 2000年のタイガーウッズ選手(当時24歳)のように全英オープンの二連勝かと期待されたが、 なかなかそういうことはめったに起こる訳でもないようだ。

 

また全米オープンではそれなりの結果を残せた我らが日本のスーパースター石川遼選手だったが、 全英オープンではまさかの予選落ちになってしまった。 「ん?どうして予選落ちたの?」って思っていたら、ネットでこんなことが書いてあった。

 

「ドライバーは4年間練習してきたが、アイアンは練習不足だった。」 (まあ、それでも普通の人よりはもちろん練習しているはずなのだが・・・。) 1日1mm単位の修正を行い、1年くらいをかけて理想のスイングにしていきたいということだそうだが、 最近石川遼選手が目指しているスイングはレイドオフだそうだ。 レイドオフ? ちょっと読み間違えるとレイオフで解雇されそうになってしまうが、そんなつまらない冗談は さておき、レイドオフとはいったいどういう意味だろうか?

 

トップスイングの状態でゴルファーを後ろから見ると、目標よりもシャフトが右側を向いている 場合をクロスといい、反対に左側を向いている場合をレイドオフというらしい。 クロスとレイドオフのどちらがいいのか? 物事は甲乙つけがたいというか、どちらにもメリットとデメリットがある。

 

クロスの場合は、レイドオフよりも腕の動きが大きくなるため、ヘッドスピードもアップし 飛距離が出るというメリットがある反面、振り遅れなどの可能性が高くなり、スライスになりやすい。

レイドオフの場合はテイクバックの軌道をそのまま逆に再現すれば良いという理由から よりシンプルに振ることができ、ボールをとらえやすい。ただし、腕の動きがクロスと違って 小さくなってしまうため、飛距離が出ない。 正確さを競うにはレイドオフの方が良いということだそうで、レイドオフの飛距離が出ない という点を克服すれば、さらに良くなるということである。

 

それではレイドオフで飛距離を飛ばすにはどのようにすればいいのか。

それはバックスイングの際に左腕をねじり、さらにコックを利用し、高い位置まで持ってくる。 そこから振り下ろすこと、そして捻転を利用した切り返しにより、飛距離の問題を克服できる のである。

 

ネットでそういうことを調べて、「へぇ~、そうなんだぁ~。」ってぼぉ~としながら考えていた。 すると・・・。 なんだ、まるで自分じゃないかということがよくわかった。

 

実は私は2年前にイギリス人のコーチ、オリバー先生から初めてゴルフを習った。 10時間コースに入り、およそ初歩的なことを教えてもらった。その時のスタイルがクロススタイル。 確かにスライスばっかりでなかなかうまくならなかった。これは振り遅れという問題もあるが、 それ以外にも、フェイスがボールの方向を向いていないため、インパクトの時にすでにフェイスが 開いてしまっていたという欠点もあったのかなと今思えばわかるような気がする。

 

10時間コースの後、半年近く自己流で練習していたら、馬場さんに出会い、もう一度ゼロから教えてもらった。 最初は馬場さんに教わることにとても違和感があった。その理由がようやく分かった。 馬場さんは典型的なレイドオフスタイルのゴルファーだったのである。

 

ということで私はこの1年間、馬場さんのレイドオフスタイルを徹底的に教わったわけだ。 テイクバックする時はフェイスがボールを向いていることとか、トップスイングの時にシャフトを 寝かせるなとか、いろいろと言われ過ぎて、はじめは意味がわからなかったが、 今考えるとフェイスがボールを向いていないとスライスになるし、 シャフトを寝かせるとアウトサイド→インパクト→インサイドにクラブの軌道が生じ、 強烈なフックボールになるということが理解できる。

 

レイドオフということで左側に片寄るわけだが、私の印象としてはかなり垂直に近い左側への 片寄りというイメージがある。それにしても、だから最近スライスしないんだということが ようやくわかり、なんだかすっきりした気持ち。

 

最近、忙しくて練習サボってるなぁ~、そろそろ練習に行きたいなぁ~という病気が始まった。 よしよし、良い傾向かも・・・。ゴルフって本当にいいものですねぇ~、さよなら、さよなら、さよなら?!

第6話 「先生の渋面 カフェ王よ 小さくまとまるな!」

プーケット ゴルフ私はここ数カ月間、ホームグラウンドであるプーナカというゴルフ場でのみ、 コースに出るようにしている。

 

ここは9ホールしかなく、ロングホールは3ホールしかない。 自ずとアイアンでのティーショットが多くなるのであるが、両サイドがブッシュや池などが多く、 少しでもスライスやフックをしてしまうとボールが消えてしまう。 だから、とにかくまっすぐに飛ばさない限り、間違いなくスコアが伸びないコース設計になっているわけだ。

 

さらにゴルフを教わっている馬場先生よりティーショットは一番後ろの青コーナーから打つこと、というお達しがあるため、赤コーナーはもちろん白コーナーからのスタートも許されていない。 もともと両サイドが狭く設計されたコースなのに、一番後ろのティーから打つことにより さらに狭くなってしまう。それでもこのコースを回り続けている理由は、ここのコースである程度スコアがまとまってきたら、 おそらくどこのコースに出ても、そんなに大きく崩れないだろうなという予感があるからである。

 

さて前置きはこのくらいにして、つい先日、いつものメンバーとこのコースを回る機会があった。 直近のスコアはハーフでちょうど50打だったので、今回は50打を切ること、そして18ホールで 100打を切ることを目標にゴルフ場に向かった。

 

結果は・・・。 前半のスコアが大たたきの62打。 気持ちを切り替えて、後半戦の前にもう一度スイングのチェック。 そして迎えた後半のスコアはなんと今までの新記録である41打をたたき出した。 合計すると103打。 一日で地獄と天国を味わったような感じ。 ん~、なんともおしい話であるがこれがゴルフ。

 

終わった次の日、馬場さんにスコアカードを見せてご報告。 「前半はぼろぼろだな~、でも後半はなかなかまとまっているじゃないか。このホールは7打と8打か~、 ちょっと打ち過ぎだな。」などとご講評を頂いた。

 

特に前半戦の序盤。 第一ホールは160ヤードの打ちおろしであるが、ここで7番アイアンを通常は利用する。 しかし、前半に7番アイアンでグリーンを捉えずにスコアが大きく崩れる原因になってしまったので 後半は6番アイアンを利用し、ワンオンさせた。 その話を馬場さんにすると急に顔が険しくなった。

 

「あんたはさぁ~、ここで練習しているとき、7番アイアンだと160ヤードはしっかり飛んでいるんだよ。 私なんかよりも飛ぶんだよ、私の場合、1番ホールは7番で打っても、グリーンを捉える事ができる。 だから、あんたも7番アイアンでワンオンするはずだよね。ワンオンしないということは、 ここでのスイングとコースに出た時のスイングを比較するとコースに出た時のスイングが 小さくなってしまっているという証拠だよな。」

 

そうなのかなと思い、全てのコースで馬場さんが利用するアイアンの番号と私が利用する番号を 照らし合わせてみた。すると馬場さんの言うとおり、私の番号のほうが小さい番号(ゴルフでは 小さい番号のアイアンのほうがよく飛ぶ)を選んでいるときがほとんどだった。

 

「スコアを気にする気持ちもわかるよ。100%の力でスイングする必要もない。 でも、スイング自体が小さくまとまったらだめなんだ。将来的に伸びなくなってしまう。 コースにでても、練習場の時と同じスイングができるようにこれからやってごらん。 まだまだスコアを気にする必要はない。」 と言われた。

 

私からするとハーフでの41打は上出来なのだが、教えてきた馬場さんからすると物足らないばかりか、 あくまでもそんなスコアは通過点という気持ちがやはり強いらしい。 それもそのはず、俺が教えたら、シングルでゴルフができるようになるからと何度も言われ続けてきた。 だから41打じゃあだめなんだ。

 

目標は高くなければならない。 それがアマチュアとプロの考え方の明らかな違いであるんだなと痛感させられた。 こちらも教わる側として、あらためて目標を高く持とうと決心した一日であった。

第5話 「ゴルフは逆説の理論で上達する!?」

前回の号まで、アドレスからテイクバック、捻転、体重移動、ダウンスイングという順序で 書いてきた。この一連の動作の目的はもちろんボールを前に飛ばすためのインパクトにある。

 

ここでインパクトという意味を調べてみよう。 【impact】 1. 物理的、あるいは心理的な衝撃。また、その影響や印象。 2. 球技で、ボールがバット・ラケット・クラブなどに当たること。また、その瞬間。 ということらしい。 単純に当てるというよりかは、衝撃を加える、あるいは、衝撃的に当てるというのが、 ゴルフ的には正しいような気がする。 単純な身体の回転により前に飛ばすだけではなく、ボールを芯でとらえて、さらに自分の体重が 効率よく停止しているボールに乗せることができれば、結果的に衝撃を与え、飛距離がだんぜん 伸びるわけだ。

 

ちなみに私の場合、およそ20ヤード以上、以前よりも飛ぶようになった。 この一連の流れがスムースに運べばとっても良いボールが飛んでいくのだが、実際はそんなに 甘くはない。必ず何か、どこかで狂い始める。ゴルフの神様は意地悪なのだ。

 

練習に行くといつも後ろから鋭い視点で私の先生、馬場さんが見守っていてくれるのだが、 例えばインパクトの際にボールに体重が乗っていないとすぐに見破られてしまう。 「左足に重心が乗ってないなぁ~、インパクトの瞬間にもっと左足の前に踏み出すように体重を 乗せなきゃ。」 という声が飛んでくる。 わかっちゃいるけど、やめられないという古い言葉が出てきそうだが、言われていることは 分かっているのだができない。これがゴルフの難しさだ。

 

特に左足に重心が乗ってこない最大の理由は、私の場合、左足の膝がインパクトの際に伸びて しまうからだと自己分析している。せっかく最高のインパクトにつなげるためにそこまで苦労して きたものが、その膝のお陰で、台無しになってしまう。 だから練習する時は、インパクトのときに左膝を伸ばさないように注意しているわけだ。

 

もうひとつ、個人的な肉体の構造上の特徴がある。私の場合、ボクサーのようにリーチが長いので ある。だから、インパクトの際にダフッてしまうケースもしばしば。 だから逆説的に膝を伸ばすことにより、ヘッドとボールを合わせてしまっている。 でもこれじゃあいけないんだということもわかっている。 答えが出ないまま、迷路に入り込んでしまっていた。

 

そして、ある日。 同じように練習場に向かい、いつもと同じように7番アイアンで練習をしていた。 すると馬場さんが一言。 「あのさ、今日はさ、ボールをいつもより前に置いてごらん。」 ボールを前に? 「わかりました、じゃあやってみます。」 ということでボールを1球分くらい前に置いてみた。 すると馬場さんがまた一言。

 

「そんなんじゃなくて、もっともっと前に置いてごらん。」 え?もっと前に? 最終的にボールが5~6球分、いつもよりかなり前に置いて、スイングしてみた。 もちろん最初はトップをこするだけで当たらない。いいから続けろと言われるので、続ける。 するとなぜか当たるようになってきた。しかも芯でとらえている。さらにいつも指摘されてきた左足に 重心が乗っている。というか、乗らざるを得ない。そうじゃないとボールに届かないからだ。

 

「わかったかい?それが左足に重心が乗るということだ。ボールも芯でとらえているでしょ。」 たしかにボールは160ヤード以上ぶっ飛んでいるし、芯でもとらえている。 馬場さん曰く、この練習方法だともちろん右アウトサイドから左インサイドにヘッドが流れてしまうので、 フックボールがでやすい。でも、この左足に体重が乗るという感触を覚えたら、少しずつ今度はボールをもとの位置に戻すようにすればいいとのこと。するとここだという点が見つかるらしい。

 

「ゴルフはさ、逆説の理論なんだよ。悪い点を確認し、それを修正していきながら、 自分の理想に近づけていけばいいんだ。初めから、理想を追いかけるのは難しいからね。」 悪い点を修正することは同時にうまくなっているということ。

 

最近はテイクバックもかなり改善したし、 この重心を乗せる練習を繰り返せば、来週のコースはかなりいい感じで回ることができるんじゃないかな と思う訳で・・・。 週末のコースを目標に今週はしっかりと練習に励みたいと思う今日この頃である。

第4話「ワッカでグゥー!」

ゴルフのエッセイなので、ゴルフの話題を書こう。以前、捻転について書いたが、 その先がまだだった。捻転はほんの一瞬の出来事でわかっている人がみれば 一目瞭然だが、わからない人が見るとまったくわからない。

 

捻転からダウンスイングに移る訳だが、この一瞬の間にすること。 それが体重移動だ。 捻転の後、そのまま振り下ろすと、パワーの放出は不完全燃焼になってしまう。 そこでさらに極限までパワーを出し切るという意味も含めて、右側から左側に体重移動する。 そして、体重移動した直後、ダウンスイングによるインパクトにつなげるわけだ。 これにより飛距離は嘘のように伸びてしまう。 この一瞬の出来事を身体にしみ込ませるために毎日毎日ふり続けた。

 

そしておよそ、素人としてはまあ満足のいくダウンスイングができるようになったわけだが、 そこに大きな問題が残っていた。馬場さんも教える順序というものがあり、 これにはあまり口うるさく指導してこなかったんだと思うのだが、 打球がまっすぐ飛ばないという根本的問題が残っていた。

 

始めたばかりの時はスライスばかりしていたのに、このスイングができるようになった後、 強烈なフックの球ばかり飛ぶようになってしまった。 「いや~、まいった。」本当に独り言のようにそういった。 そこで馬場さんにこの点に関して、詳しく指導してもらった。

 

馬場さんの指摘のポイントは次の通り。
・ テイクバックするときに後ろ(背中側)に引きすぎている。
・ 後ろに引きすぎると、その反動で右前から左後ろに振りおろしてしまう。
・ これがフックする根本的な問題である。

 

そうか、それではもう少し横に、そして右ひじを後ろではなく、 下側に意識してテイクバックをすればいいんだなと思い、何度もやってみるが、 この右ひじが後ろに向いてしまう癖は本当に取れなかった。 そこでふと思いついたのが、これ。

 

さて、なんでしょう? インターネットで調べるといろいろな矯正グッズが販売されていた。 しかし、あんまりお金もない。ん~、どうしたものかなと思っていたときに発明してしまった。 その名も『ワッカでグゥー!』。 毛糸でワッカを両サイドに作り、両肘にはめるだけで出来上がり。 いたって簡単で持ち運びも楽。なによりほとんどただで作成できる。

 

そして次の日に練習場に。

 

「馬場さん、新兵器作ったんですが、やってみていいですか?」

 

「あ~、いいよ。でもそういうのってスイングが小さくなるからどうだかな~。」

 

ていう返事。じゃあ、とにかくやってみよう。 すると、確かに右ひじは下に向き、それなりにまっすぐと飛ぶようになったが、 馬場さんの言った通り、スイングが小さくなってしまった。

 

「馬場さん、やっぱりスイングが小さくなりますね。」

 

「そうだろう、そんなの作って、奥さんに『馬鹿だね~、あんたは。』って言われなかったかい?」

 

凄い、馬場さん、まったくその通り言われたんですよね。 先生はなんでもお見通しなのでありました。

第3話「POWER TO THE PEOPLE」

『東日本大震災によりお亡くなりになられた方々のご冥福を心よりお祈り申し上げます。 被災された方々には心よりお見舞い申し上げますとともに一刻も早い復興を プーケットよりお祈り申し上げます。』

 

プーケットから3月13日に一時休暇で帰国する予定であった私は3月11日に家でTVを見ていた。 NHK WORLDからリアルタイムで流される映像は受信状況が悪いせいか乱れて見えた。 NHK WORLDは英語の放送なのだが、しばらくその放送に見入っているうちに、 映像が悪いわけではなく、津波が土砂と一緒に流れ続けているのだということがわかり、 固まってしまった。

 

スマトラ地震による津波が発生し、プーケットが被災したのは2004年12月26日。あれから6年余りで今度は日本で津波が発生した。 絶句としかいいようがない。 刻々とニュースが入ってくるにつれて、被害の拡大がどこまで及ぶかわからなかったために、 一旦帰国を中止した。今現在、3月20日。 これ以上、状況が悪化することがないように祈るしかない。

 

さてプーケットには日本人在住者の方が数百人公式に登録されている。 働いている人もいれば、その子供たちもいるし、リタイヤで移り住んでくる人たちも数多い。 私のゴルフ仲間W氏もそのうちの一人だ。彼はこちらで商売をしているが、 今回の大震災でキャンセルなどのダメージがじわじわと出始めたようだ。

 

そのW氏が電話をくれた。「震災の影響で暇になるかもしれないので、その時を利用してゴルフの練習をするのは 不謹慎ですかね」ということだ。 私はこういった。 「スマトラ地震のときもそうだったけど、経済を活性化させるためにできるだけこれまでと同じ生活ができる人は自粛する必要はないと思うんだよね。 もちろん無駄は省く必要はあるけど。だって普通に活動できる人が必要以上に自粛してしまうと、 さらに経済が冷え込み、その悪影響が被災者の人たちを苦しめることになるので、 やりたいことをどんどんやればいいんじゃないかな」

 

私がスマトラ地震による津波をプーケットで体験した後、 およそ一週間でダイビングの営業を再開した。その時は日本からHPに匿名の書き込みがあり、こんな時期に営業再開は不謹慎だと言われた。 そうですか、不謹慎ですか、そう思うなら自分の目で今のプーケットを見ればどうですか、そしてそれでも不謹慎と思うのであれば、一緒に議論しましょうと問いかけた。

 

するとそれ以降、書き込みはなくなってしまった。 今回の大震災が抱える問題はスマトラ地震で被害を受けたタイの比ではないかもしれない。 また原発という大きな問題を抱えている。しかし、おそらく私達がそうであったように 風評被害で苦しむ人たちが多く出てくるに違いない。

 

スマトラ地震による津波の被害は二つあった。 ひとつは津波そのものがもたらした物理的な被害。 そして実はそれ以降、私達在住者に圧し掛かってきた風評被害だった。 風評被害のダメージはプーケットだけで言えば物理的なダメージよりもひどかったと思う。

 

一年以上も閑古鳥が鳴き、開店休業状態に陥った。 その理由は報道の仕方である。それまでは一般的な日本人らしく、報道の内容を鵜呑みにしてきた。 だってNHKは嘘をつくことはないと日本人なら誰でも信じるはずである。もちろん民放各局もしかりだ。

 

だが、このスマトラ地震による津波の被害を取材していた報道すべてに私は怒りを感じるようになった。 そう、プーケットでは今、水が悪いのでシーフードはちょっと避けたほうがいいですよと報道しながら、仕事が終わった後に生ガキを食べていた彼らのことを。

 

すでにプーケットが復興してからも、被害状況が激しかった建物だけを映し、 何度も何度も津波の映像を流し続けた。海外の報道大手CNNやBBCは当初一ヶ月間、そのような報道を続けたが、復興が目覚ましくなってきたときには視点を変えて、 いかに現在復興しているかということに焦点を変えた。 だからヨーロッパ人の観光客はすぐに戻ってきた。

 

が、我が国の報道は一年以上にもわたり、飽きることなく津波の映像を流し続けた。 それ以降、非常に残念な結果だが私は自分が生きている限り、 日本の報道というものを鵜呑みにしないと心に誓った。 自分で判断することの重要性を強く感じたからだ。

 

今回の大震災はタイの震災とは違って対岸の火事ではない。 だから今回だけは少なくとも、日本の報道が偏りなく、そして透明であることを信じたいと思う。 プーケットでは震災直後からタイ人が得意のマイペンライを連発した。

 

マイペンライとは、 「大丈夫だよ!」 「ぜんぜん問題ない!」 「何とかなるよ!」というような意味だ。 彼らの前向きさというか、生命力には恐れ入る。だから私もゴルフをやめない。 だってやめる必要もないしね。 これまでと変わらない生活を営みつつ、被災地に向けて自分ができることをする。 これしかないから。

 

ジョンレノンは歌った。 そして今日、渋谷で内田裕也さんが歌った。 [ POWER TO THE PEOPLE] http://www.youtube.com/watch?v=Wos-dDxpJlQ 東北の人たちに力を・・・。

第2話『千里の道も一歩から』

プーナカ プーケット「わぁ~、なんでまっすぐ飛ばないんだぁ~」って叫びたくなる時が、ゴルファーなら一度はあると思う。いや、一度ならず、二度、サンドウェッジっておやじギャグを言ってる場合か!

 

私はこの「まっすぐ飛ばない地獄」におよそ1年以上も苦しんだ。意味がわからない。だって、動いてるボールじゃなくて、止まっているボール。どこにも逃げていかないボールをまっすぐに打つことができないのだ。 この壁にぶち当たり、一度は本当にゴルフをやめようと思ったが、なんとか踏みとどまった。おそらくこういう分岐点でやめる人と思いとどまる人に分かれるんだなと思う。

 

ところで、ゴルファーの皆さん、あるいは、ゴルフを一度もやったことのない皆さん、貴方はゴルフボールを思いっきり投げたことがあるだろうか。 日々の練習であまりにもまっすぐに飛ばない期間が長かった私は練習するのにも嫌気がさして、一度ゴルフボールを思いっきり投げてみたことがある。

 

夕日に向かって投げれば、青春ドラマだが、ここはプーケット。だから、燃え盛るギラギラの太陽に向かって投げてみた。 ゴルフクラブでまっすぐ飛ばないなら、投げたほうがましだと思ったからだ。単細胞極まりない。すると驚いたことに30ヤードくらいしか投げることができなかった。思いっきり投げたのに、たったのそれだけって感じで拍子抜けした。それでついつい投げやりになっていた気持ちにもう一度喝を入れ直して、真面目な気持ちで練習を再開したことを覚えている。

 

初心者なりに思うことはゴルフとは正確な距離と正確な方向を様々な場面で打つことができれば、必ずスコアがあがるということ。ゴルフをやったことがある人はきっと心底感じることだが、ゴルフをやったことがない人からするとそんなの当たり前だよねって思うはずである。 そう、当たり前のことができないので、たくさんの人がゴルフの魅力にはまっていく。

 

で、馬場さんに教わり始めた時、てっきりそういうことを教えてくれるのかなと思っていたら、全然的外れだった。 多分、教える順序というものがあり、個々の生徒さんの癖を見抜き教えていると思うのだが、私の場合は、距離や方向を目指す以前の問題だったようだ。

 

初めに教わったことはスタンスとアドレス。どのように立ち、どのように構えるか。構えるだけだから、これは簡単と思いきや、初心者の私はどうしても力んでしまう。力を抜いてって言われれば言われるほど、なかなか簡単に力を抜くことができない。力が入っているということは飛ばしたいという気持ちが強すぎるということらしい。

 

力で飛ばそうと思っている間はだめなんだよねってまるで禅問答のようだ。 それでも馬場さんは繰り返し繰り返し構え方を教えてくれた。 まず両足のスタンス。両足・両膝の向き。ボールの位置。上半身の状態。 ゴルフクラブの持ち方と持つ場所。クラブヘッドの向きと角度などなど。 数え上げればきりがない。 ひとつひとつを言われたように再現しているうちに力が入ってしまう。 このアドレスが完成して、そして力を一旦抜く。これが重要。

 

そして次のステップはテイクバック。 どのようにクラブを振りあげるのかということである。 振りあげることにばかり集中していると腕だけが振りあがってしまう。 それじゃあ、腕だけで持ちあげているだけだから身体の回転で振りあげてごらん と言われると、今度はスウェーしてしまう。 スウェーせずに、右の膝を固定し、股下から右の骨盤(股関節周辺)にかけて、 自分のズボンにラインがしっかりと出るようにすること、これがポイントだ。 ※スウェー・・・テイクバック時に右膝が右側に移動し、 下半身が固定されずにずれてしまい右側の腰が伸びあがること。

 

私の性格は頭で理解しないとどうしても前に進めないので、 その都度馬場さんに質問することになる。馬場さんはいつも丁寧に答えてくれる。 「でも、どうしてスウェーするとダメなんですか?」 と聞いてみた。 すると「捻転なんだよね」の一言。 出たぞ、ゴルフ用語。

 

捻転? 単純にゴルフクラブを自分の身体の幹を中心にして勢いよく回転させれば ボールは飛ぶんでしょって、多くの人は勘違いしているはず。 私もまったくそう思っていた。 単純な身体の回転で打つ球は意外にも軽くてそんなに飛距離も出ない。 捻転を利用すると飛距離が20~30ヤードくらいは簡単に変わってきてしまう。 イメージ的にはバネを利用したバッティングセンターの機械のようなもの。 力を貯めて貯めて貯めて、そして最後に一気に力を放出する。そんな感じだ。

 

それがスウェーしてしまうと力が逃げてしまい、貯めることができなくなり、 飛距離が出なくなってしまう。 伸びきったバネにはボールを飛ばす力がないということだ。 そうか、捻転か、ちょっと右膝と腰をぴたっと動かさずに我慢すればいい話で そんなに難しいことはない。そして打ってみると少し飛ぶようになった。 はぁ~、やっとできた。 そう思っていたら、なんと次のステップがあった。

 

スタンス、アドレス、テイクバックときて、 もう頭の中はいっぱいいっぱいなんですけどぉ~と言っても、仕方がない。 「次のステップお願いします。次はインパクトですか?馬場さん?」 「いや、まだ早い。ダウンスイングだ。」 「何?まだあったのか!なかなかボールまでたどり着けないぞ。」

 

次のステップとは振りあげれば今度は玉を打つだけだと思うのだが、 実は振りあげてから玉を打つまでのほんの一瞬の間にすることがあったのだ。 それが体重移動を含めたダウンスイング。 捻転は体重移動するための下準備のようなものだった。 捻転ができていないともちろんダウンスイングも上手くいかない。 ゴルフにはまった人ならテレビを見ていても、 プロのゴルファーが瞬間的に体重移動していることが目につくはず。 でも、やったことがない人には早すぎてわからない。

 

よっしゃ、やってやろうじゃないですかって始めた体重移動を習得するのに、 まさか3か月間もかかるとはその時は思ってもいなかったのだが。 それぞれのゴルファーによって、自分が到達するべき山の頂きの風景は違う。 600mの山にゆっくり登り、楽しむ人もいれば、 エベレスト級の超難関の山を酸素ボンベなしで登ろうとする人もいる。

 

そういう意味でゴルフはゴルファーの数だけ楽しみ方があると思う。 ゴルフの起源はなんと15世紀にまで遡るそうだが、なんとも奥深いスポーツだ。 馬場さんに教わっているとなんとなくだが、 ゆっくりゆっくりと自分の描いた山の頂きに近づいているような気がする。 諦めずに山頂を目指せば、いつか辿り着くのではないだろうかという希望が 沸々と湧いてくる。

 

それってなんとなく人生にも繋がっているような・・・。 「千里の道も一歩から」 そういう気持ちにさせてくれる馬場さんに出会えたことに感謝し、 私にとってはとてもラッキーなことだと思う今日この頃である。

第1話 「克己復礼」

プーケットでゴルフレッスン by カフェ王 ゴルフをするきっかけとはなんだろうか。それは皆それぞれいろいろだと思うのだが、私の場合は、ちょっと普通とは違う(と思っている)。2年前、ある事情で仕事を辞めてしまった。その後、新しい仕事を始めようと思い、その勉強のためにひたすら本を読みまくった。

気が付いたら、視力の低下とともに、半年が経過していた。そんな浦島太郎でもないだろうに気が付いたら半年が経過していたなんて、言い過ぎだと思うかもしれないが、体重が落ちるほど、勉強したのは、学生だったころ以来である。そして半年後、気がついたことは体力が落ちまくっていたということ。歩くのが精いっぱいだったのである。肌の色は日本に居る時よりも白くなっていた。こんな暑いところなのに、一歩も外出しなかったからである。

 

まだ40代でこの体力の無さはなんなんだと自問自答しているとき、たまたま家の近くに新しいゴルフ練習場兼ゴルフコースが誕生した。なんとなく、新しいことを始めたかったということ、それからたまには外出するのもいいかなと思ったこと、そして運動しなきゃ、歩けなくなるかもと不安を感じたこと。

 

それで思い切って、プーナカというゴルフ場に行ってみた。そこにはオリバーというイギリス人がティーチングプロとしてゴルフを教えていた。最初の10時間はこのオリバーに基礎を教わり、それから自己練習をしていたが、昨年の6月頃から日本人プロの馬場さんに教えてもらうことになった。

 

ゴルフをやっている人でゴルフを好きな人がどれくらいいるのかは分からない。それはゴルフをやっている人はみんなゴルフが好きでしょうと思うだろうが、私はそうは思っていない。きっとサラリーマンの人たちなんかは付き合いでゴルフをやらされている人たちも少なからずいるのではないだろうか。

 

私がオリバーに教わった後、正直、ゴルフの楽しみがあんまりわからなかった。友達と一緒に下手ながらもコースに回り、ビールを飲みながら、炎天下のプーケットでゴルフをすればそれはそれで楽しい。しかし、ゴルフ自体の楽しみかどうかは別物だと思う。

 

馬場さんに教わった時、私は確かにそれを感じた。 教わってから、3か月くらい経ったある日の夜。練習にでかけてボールを打ってみたら、軽く打ったにも関わらず驚くほどボールが遠くに飛んで行った。この日、この瞬間。私は自分の人生で初めて、ゴルフは面白いと感じたのである。 なんだ結構、ゴルフって面白いし、簡単じゃないかと思ったのがきっとゴルフの神様のいたずら。次の日から練習に行ってみても、二度とそのスイングをすることができなかった。

 

そして、昨年の12月頃からもう一度びっちり練習しようと思い立ち、馬場さんに徹底的に教えてもらうことになった。 そう、あの日の感触を取り戻すために。

 

「球を打っても 球を打っても 我がゴルフ上手くならず じっと手を見る」 とまるで石川啄木のように豆だらけになった手を見るわけだが、見ていても何も始まらない。己に克つという精神でゴルフに臨みたいと思う今日この頃である。  (2011年2月号からプーケットウォーク・メールマガジンで連載スタート)