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プーケットのオールドタウンの中心タラン通り界隈
プーケットタウンの一画には古い町並みが残っている。タラン通り、ヤワラー通り、クラビー通り、ディバック通り、パンガー通りなどがそのエリアだ。観光客が散策を楽しむなら、タラートソッドと呼ばれる生鮮市場(ソンテウの発着場所)から出発してみればいい。どの通りにも徒歩で行くことができ、時期によって市場でも行事や人々の慣習に触れる機会もある。
さて、古い町並みのなかでも最も心を惹き付けるのは中国ポルトガル様式の家。英語ではシノポルトギースといわれている。およそ一〇〇年前、プーケットが錫の生産と交易で賑わっていたころの華やかな時代の産物。中国本土から渡ってきた華僑の家だ。
クラビー通りにはいくつか大きなお屋敷が残っていて、その一つは一般公開もされている。ヤワラー・タラン通りはその様式の町屋に似た造りの家が軒を連ねている。ヤワラー通りは洒落た造りの貨屋やアンティークショップ、カフェなどに改装されては店舗が目まぐるしく変わるという状況にある。
それに比べてタラン通りは数軒のカフェもあるが、漢字の看板を掲げた商店やイスラム系の生地屋、マレー語メニューのロティ屋のおじさんの店、店先で輪転機が回る印刷屋、漢方薬局など昔ながらの商店がその大半を占めている。わずか数百メートルの通りに中国系とイスラム系が混じりあって生活している。
毎年乾季に行われる『オールドプーケットタウン祭り』もこのタラン通りを中心に催される。
プーケット料理やお菓子の販売、子供たちのタイダンス披露や記念撮影コーナーなど、古き時代のプーケットを楽しむ趣向だ。
シノポルトギースの家が連なってはいるが、廃屋同然の印象だったソイ・ロマニー。タラン通りなかほどから直角に伸びる通りだが、ここ一、二年で美しくリノベーションされた。通りの先には朱と黄金に輝くタイ寺のきらびやかな屋根が見え、門前町のような趣もある。
日頃、プーケットに暮らしていると歴史や文化を感じることが少ない。たとえばシノポルト
ギースのカフェに寄ってみる。この造り、間口は狭いのに縦に長いことに驚かされる。そして
奥には可愛らしい中庭。これは風水から生まれた。おかげで風通しもよく、建てこんでいるのに涼しい。複雑に入り組む町の中に生きる昔の人の知恵、小さな路地の迷宮のような空間。懐かしさとロマンでわくわくさせられる。
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